修理・加工完成後のプラチナダイヤモンドバーペンダントと新しいボックスチェーン、赤矢印が新バチカンを指示、旧スプリングリングが分離して置かれている

切れただけじゃなかった——プラチナダイヤモンドペンダント、バチカン加工で付け替え自由に生まれ変わる。

「また切れてしまって……お直しできますか?」

お持ちいただいたのは、プラチナ製ボックスチェーンにダイヤモンドバーペンダントが通ったネックレス。不意に引っ掛けてしまい、チェーンが切断されてしまったとのこと。しかもこれが初めてではなく、これまでにも何度か切れて修理を繰り返してきた経緯があるとお聞きしました。

プラチナボックスチェーンネックレスの切れた箇所を赤丸で示した写真。ダイヤモンドバーペンダント付き。
ご依頼時の状態。赤丸の箇所でチェーンが切断されています。

「切れた箇所を繋ぐだけ」と思って進める前に、まずはしっかりと現状を確認します。チェーンとペンダントを分離してよく観察すると——気になるポイントが見えてきました。

切れたチェーンとダイヤモンドバーペンダントが分離した状態、赤矢印がペンダントトップのバチカン(ジョー構造)を指示
チェーンとペンダントが分離した状態。赤矢印のバチカン部分に注目——チェーンが抜けない構造です。

次に、破断箇所と周辺を顕微鏡で拡大確認します。

顕微鏡拡大写真、プラチナボックスチェーンの破断したリンク部分を赤丸で指示
顕微鏡で確認したチェーン破断部。赤丸内にリンクが完全に切断されているのがわかります。
顕微鏡拡大写真、プラチナボックスチェーンの複数リンクが変形・傷んでいる箇所を赤丸で指示
赤丸内に複数の傷んだリンクが確認できます。過去の修理歴もあり、チェーン全体が疲弊していました。

破断箇所だけでなく、チェーン各所に変形・劣化したリンクが複数見つかりました。これまでの修理を繰り返す中で蓄積したダメージです。このまま繋いでも、またすぐに別の箇所が切れてしまう可能性が高い——そのことを率直にお伝えしました。

さらにもうひとつ、重要な構造上の問題があります。

新しく用意したプラチナ製ボックスチェーンネックレス、スプリングリング留め具付きでトレイに広げた状態
新しいプラチナ製ボックスチェーン。スプリングリング(引き輪)付きで安心感のある仕上がりです。

ペンダントのバチカン(ジョーバチカン)が完全に閉じた構造で、チェーンを取り外すことができません。つまり現状のままでは「このペンダント専用のネックレス」としてしか使えない状態です。「どうせなら、好きなチェーンに付け替えて使いたい」というご要望をいただき、修理方針を2段階で組み立てることにしました。

①チェーンを新しいプラチナ製ボックスチェーンへ交換。

②ペンダントのバチカン部分を加工・拡大し、チェーンの付け替えができる構造へ改良。

ダイヤモンドバーペンダント本体と新しく加工するPt刻印入りプラチナバチカンパーツが並んだ写真
ペンダント本体(左)と新しいプラチナ製バチカンパーツ(右)。「Pt」の刻印が素材の証明です。
顕微鏡拡大写真、ペンダントのジョーバチカン構造の内部を拡大、チェーンが抜けない閉じた構造を確認
顕微鏡で見たバチカンの内部構造。チェーンが完全に閉じ込められており、取り外し不可のデザインであることがわかります。

新しいバチカンパーツはプラチナ製で「Pt」の刻印入り。素材の品質と一貫性にもこだわります。このパーツをペンダントトップへしっかりと取り付け、チェーンを自由に通せる構造へと加工していきます。

修理途中のダイヤモンドバーペンダントに新しい大型バチカンが取り付けられた状態、赤矢印で新バチカンを指示
赤矢印が新しいバチカン。ペンダントトップに取り付け、チェーンの付け替えができる構造へと加工中です。
修理・加工完成後のプラチナダイヤモンドバーペンダントと新しいボックスチェーン、赤矢印が新バチカンを指示、旧スプリングリングが分離して置かれている
完成!赤矢印の新しいバチカンでチェーンの付け替えが自由に。旧チェーンの引き輪(左上)と比べ、バチカンが大きく改良されているのがわかります。

完成後は、チェーンを自由に付け替えられるバチカンが確実に固定され、まったく新しいネックレスとして生まれ変わりました。「切れた箇所を繋ぐだけ」という最初の修理案から一歩踏み込んだことで、今後も安心して・自由に使えるジュエリーへとアップデートできた事例です。


「また切れてしまうんじゃないか」「ちゃんと直るのかな」——そんな不安を抱えたまま大切なジュエリーを使い続けるのは、もったいない。現状をしっかり診断し、最善の修理案をご提案するのがeph.anaのスタイルです。まずはお気軽にご相談ください。

Leave A Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA