【ネックレス修理】緩くなったスライド金具を修復!天然素材を傷つけない職人の知恵と安全対策
「金具がゆるくて落ちてしまう」お気に入りのスライドネックレスを諦めないでください
お好みの長さに自由に調整できる「スライドネックレス」や「ラリエット」。胸元を華やかに演出してくれる人気のデザインですが、長くご愛用いただいているうちに「留め具が緩くなってすぐ外れる」「勝手に位置がずれて落ちてしまう」といったご相談をよくいただきます。
今回お預かりしたのは、お花モチーフの裏側に開閉バーが備わったラリエットタイプのネックレスです。

この留め金具は、裏側のバーで2本のチェーンを挟み込んで固定する便利な構造になっています。

しかし、長年ご使用になられる中で金属同士が擦れ合い、噛み合わせの地金がすり減ってしまっていました。バーを閉じてもパチッと固まらず、すぐに「ポロリ」と開いてモチーフが抜け落ちてしまう状態です。
通常、すり減った金属の復元にはバーナーで火をあてて地金を盛り付ける「ロウ付け」を行いますが、ここで職人としての判断が必要になります。

モチーフの表面をご覧ください。繊細なイエローシェル(貝殻)と、中央には透明石が綺麗に伏せ込みされています。シェルや宝石は熱に極めて弱いため、高温のバーナーを使用すると割れたり変色したりしてしまいます。
そのため、今回は熱を使わない手工具による精密な曲げ調整を選択しました。すり減った接点部分を微小な加減で曲げ込み、しっかりとした引っ掛かり(クリック感)を作ります。
ただし、地金の物理的な摩耗が進んでいる以上、曲げ調整だけでは将来的に再び緩んでしまう可能性があります。そこで、お客様の大切なジュエリーを落としてしまわないよう、職人ならではの「安全策構造」を追加いたしました。

万が一、ご使用中に裏側のバーが開いてしまっても、モチーフ全体がコロコロと転がり落ちて紛失してしまわないよう、片方のチェーンを裏側で固定することにしました。固定する位置は、着用時のシルエットが最も美しく見える約8.5cmのポイントです。

固定した片方のチェーンに加え、開く金具のさらに「内側の構造」へもう一方のチェーンをはめ込みます。こうすることで、もしバーが開いてしまってもモチーフが引っかかって留まり、地面に落ちない「二重の安全構造」が完成します。

片側を固定しても、ラリエットとしての見た目や使い心地はこれまでと変わりません。長さの動きをしっかり楽しみながら、安心してお使いいただける仕様です。

これで修理と調整がすべて完了いたしました!
エファーナでは、ただ壊れた部分を元に戻すだけでなく、「素材の特性上、どこまで加工ができるか」「今後落とさずに安心して使えるか」までを考え抜き、最適な修理方法をご提案しております。
作業が完了いたしましたら、今回ご紹介したような工程写真や技術的な判断理由を添えて、つながっているエファーナ公式LINEアカウントへ迅速にご報告をお送りしております。
「裏側でどんな工夫をしてくれたのかが写真でよくわかり、安心して着用できる」と、多くのお客様に喜んでいただいております。
留め具の不具合や、構造上修理が難しいと他店で断られてしまったジュエリーがございましたら、ぜひお気軽にエファーナまでご相談ください。

