バフでリング全体を磨き上げている様子

チェーンリングが切れた本当の理由|原因診断から顕微鏡による精密ロウ付け、サイズ調整まで

お守りのように毎日身に着けている、イニシャルのチェーンリング。指の動きに合わせてキラキラと輝くその繊細さが魅力ですが、ある日突然「ぷつん」と切れてしまったら……。

「どこかに引っ掛けたかな?」 「私の扱いが悪かったのかな?」

そう自分を責めてしまう方も多いのですが、実はチェーンリングが切れるのには、目には見えない「理由」があることが多いのです。本日は、ダイヤモンドの「S」が輝くチェーンリングの修理工程を通じて、プロの診断と技術の世界をご紹介します。

1. 切れたのは「結果」であり、原因は別にあった

センターにダイヤモンドの「S」がついた、切れてしまったゴールドのチェーンリング
繊細な輝きを放つ「S」イニシャルのチェーンリング。無残にもチェーンが切れた状態で持ち込まれました。

お預かりしたリングは、モチーフの付け根で切断されていました。一見すると、どこかに引っ掛けた際の衝撃で切れたように見えますが、私たちはさらに深く「なぜここが耐えられなかったのか」を調査します。

ルーペで切断箇所を拡大して確認している様子
修理案を出すための重要なステップ。ルーペで切断面の状態を詳細に確認します。
摩耗して細くなったチェーンのコマのクローズアップ
【原因判明】長年の摩擦により、チェーンのコマが極限まで「痩せて」細くなっていました。

ルーペで拡大して判明したのは、チェーンのコマの「痩せ(摩耗)」でした。チェーンリングはコマ同士が常に擦れ合うため、長い年月をかけて金属が少しずつ削れ、糸のように細くなってしまいます。今回はその摩耗が限界に達し、日常生活の何気ない力に耐えきれず切れてしまったのです。

2. 修理と同時に「今の自分」にフィットさせる

モチーフ部分とチェーンが完全に切り離された状態
精密な修理を行うため、一度「S」のモチーフとチェーンを完全に分離させます。
取り外された2コマ分のチェーンパーツ
お客様のご希望に合わせ、両サイドから1コマずつ、合計2コマを取り外してサイズを調整します。

お客様から「以前から少しサイズが緩かった」というお話を伺い、修理と同時にサイズ調整を行うことになりました。両サイドから均等に1コマずつ、計2コマを取り除きます。指にぴったり馴染むサイズにすることで、チェーンに余計な遊びがなくなり、今後の摩耗を抑える効果も期待できます。

3. 顕微鏡が成せる「ピンポイントロウ付け」の極致

ここからの作業は、肉眼の限界を超えた世界です。

ピンセットでモチーフとチェーンを繋ぎ合わせ、ロウ付けの準備をする手元
短くなったチェーンを「S」の両サイドへ。顕微鏡を覗きながらピンポイントのロウ付けを開始。
顕微鏡の視野内で完璧に接合されたチェーンのコマ
神経を集中させ、ロウ付け完了。強度が確保され、見た目も滑らかに繋がりました。

わずか1mmに満たないチェーンのコマを繋ぎ合わせる「ロウ付け(溶接)」。顕微鏡を覗きながら、隣のコマまで溶かしてしまわないよう、針の穴を通すような精密さで火を当てます。接合部が一体化し、十分な強度が確保されたことを拡大画像で何度も確認します。

4. 輝きを蘇らせ、安心を届けるまで

形が戻った後は、仕上げのバフ磨きです。チェーンの隙間に入り込んだ汚れを落とし、表面の微細な傷を整えることで、10Kゴールド本来の温かみのある輝きが蘇りました。

バフでリング全体を磨き上げている様子
最後は柔らかいバフで優しくポリッシュ。長年の使用でくすんだ輝きを取り戻します。
完成したリングをサイズ棒に乗せ、報告用の写真を撮影している様子
修理完了!全工程の記録と共に、エファーナ公式LINEからお客様へ嬉しいご報告です。

エファーナでは、修理できた喜びをすぐにお客様にお伝えしたいと考えています。公式LINEアカウントを通じ、今回のような「なぜ壊れたのか」「どう直したのか」という工程写真と共に、完了のご報告を差し上げます。

「自分のジュエリーが、こんなに大切に扱われて直ったんだ」 その安心感こそが、私たちが提供したい一番のサービスです。

結び

ジュエリーが壊れてしまうのは悲しいことですが、それは「もっと輝かせてほしい」というジュエリーからのメッセージかもしれません。

「お気に入りだけど、もう直らないかも……」 そう諦める前に、ぜひエファーナにご相談ください。高松市の小さな工房で、顕微鏡という現代の目と、長年培った職人の手を使い、あなたの思い出を再び指元で輝かせます。

Leave A Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA